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弊社技術で通常行っている電子源あるいは蛍光体の評価の実例を用いた説明をご紹介します。
■I-V特性
■電界放射閾値
■電流密度
■発光輝度
■発光の均一性
■発光面チャージアップ
■電子源劣化
冷陰極電子源へ印加する電界強度(V/um)に対する放出電流(uA)の特性を計測し、右図のような特性グラフを求めます。通常、電界強度に対する放出電流は、指数関数的に滑らかな上昇カーブを描きます。非連続的な変化或いは直線的な電流放出特性を示した場合、本来のエミッションサイトから放出された電子線ではなく、単なる放電現象や不要な異物から放出されている電子線の可能性が考えられます。
冷陰極電子源から電界電子の放出が開始される電界強度V/umを計測します。2極あるいは3極構造で冷陰極電子源に電界を印加し、0.1uAのエミッション(電子線)が放出されたときの電界強度を電界放出閾値と定義しています。
冷陰極電子源(エミッタ)から放出される単位面積あたりの電流量を決めて、電子線放出の均一性を評価します。陽極に金属板電極を用いた2極構造や、探針による電流計測と密度計算では、ある一定の面積を有するエミッタから放出される電子線の均一性を評価することは出来ません。予め、評価したい電流密度(uA/cu)を決め、以下にご紹介します蛍光体基板と組み合わせた発光評価を行うことにより、冷陰極電子源の均一性を評価することが出来ます。
一定の電流密度と印加電圧に対する蛍光体印刷基板の発光輝度(cd/u)を計測します。輝度計の計測視野がΦ1.5、Φ5、Φ15となる任意のレンズを使用して、目的の発光範囲を適切に分割して計測し、平均輝度を求めます。蛍光体の発光輝度評価を行う場合は、正確な輝度を計測するため、極力電子線放出の均一性が良好なエミッタを使用します。
発光輝度の均一性を計測することにより、電子放出面(エミッタ成膜)の均一性を知ることができます。以下の計測例は、真空槽内にて、発光面を水平方向14箇所、垂直方向16箇所の輝度を計測し、計測結果をグラフ化して、エミッタの均一性を評価したものです。
水平14粒、垂直16粒の輝度を計測
(計測視野約φ1.5)
蛍光体の種類によっては、電子線を照射し続けると発光輝度が徐々に減衰した後に安定し、その後、電子線照射を停止させながら、時間の経過と共に瞬間的に電子線を照射して輝度の計測を繰り返すと、発光輝度が回復する特性を示す蛍光体があります。このような現象は、、一般的な電子線励起型蛍光体に多く用いられる硫化物や酸化物の場合、電気的性質が誘電体に近く、電子が蛍光体表面に滞留してしまう、いわゆるチャージアップ現象により発生します。FELの場合、電子線励起に伴うX線が発生しないように、蛍光体成膜面の陽極電圧を7KV以下に抑えていますので、25KV以上の高圧を陽極に印加するブラウン管に比べて、このチャージアップ現象が発生しやすくなります。右記のグラフは、ブラウン管用赤色蛍光体P22(R)を使用し、陽極に5KV印加した場合の実験結果です。
冷陰極電子源を発光装置に用いる場合、数百uA〜1mA/cu程度の高電流密度で、電子放出性能が衰えることなく、動作し続ける性能が要求されます。評価対象となる冷陰極電子源を発光評価用の3極構造電極に組込み、1×10-4Pa台以下の高真空槽内に投入し、評価専用電源装置を接続して、長時間の連続発光動作を行い、電界電子放出の経時的変化を評価します。右記のグラフは、評価専用電源装置をPCで自動的に定電流制御し、目的の電子線放出(電流量)を保持し続けるように制御されるゲート電圧の経時的変化を計測して、電子線放出の安定度を評価する試験例です。
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